ロハス(LOHAS)な演奏会:ヨー・ヨー・マ

ロハス(LOHAS)な演奏会


 昨日、ヨー・ヨー・マの演奏を聴いて来ました。

 ヨー・ヨー・マといえば、言うまでもなく世界的なチェロ奏者です。

 先週の日曜日、シカゴ郊外のラビニア・パークという野外音楽堂での演奏で
した。

 五万人いたのか、十万人いたのかわかりませんが、信じられないほどの人が
集まっていたので驚きました。

 音楽堂の席の収容力は1万人ほどですが、その回りが広い公園になっていま
す。
 演奏が始まる1、2時間前にはやってきて、そこでピクニックを楽しむ。
 その後にコンサートを楽しむという、アメリカらしい優雅なコンサートです。

 このラビニア・パークで夏の間、毎日コンサートが行なわれるのが、ラビニ
ア・フェスティバルで、シカゴの夏の風物詩の一つと言っても良いでしょう。

 これが、芝生席であれば、何と1人15ドルで入場できます。

 15ドルでヨー・ヨー・マが聞けるとは、日本では絶対にありえない話です。


 私は、遊びに行くときも、遊んでいる最中も、常に何か新しい発見をするよ
うに観察しています。
 
 例えば、おいしいピザを食べたときは、「なぜこのピザは、他の店と
これほど味が違うのだろうか?」と考えます。

 感動する映画見た時は、「なぜこの映画は、こんなに感動させる力があった
のだろう」と考えます。

 ヨー・ヨー・マの演奏を聞きながら私が思った疑問は、「一流と超一流の違
いは何か?」ということです。

 なぜ、ヨー・ヨー・マは世界的なチェリストとしてここまで評価されている
のか?

 演奏の技術がうまいから。

 これは当然のことだと思いますが、ただ楽器の演奏といっても、上手い下手
は当然あるわけですが、「一流」と「超一流」の間にどれだけのテクニックの
開きがあるのかというと、それほど大きなものはないように思うのです。

 私はクラッシック音楽には、それほど詳しくはありませんが、もしテクニッ
クの差があったとしても、それは紙一重の違いでしょう。

 その紙一重を、人より抜きん出るためには、優れた才能を持った上で、
地獄のような苦しい練習が必要。
 たった紙一重の違いが、実際は富士山とエベレストほどの違いがあるのかも
しれませんが・・・。

 ただ、ヨー・ヨー・マの演奏を聞くと、私のようなクラッシック音楽の素人
が聞いても、「やはり、超一流の演奏は違うな」と感じるわけです。

 その理由は何でしょう?

 それは、テクニックが優れている、以外の部分にあると思われます。
 テクニックが素晴らしいかどうかは、私にはわからないわけですから・・・。

 今回、ヨー・ヨー・マの演奏を見て思ったのは、彼が非常にリラックスして
時折笑顔をもらしながら、楽しそうに、そして時に情熱的に演奏していたこと
です。

 ヨー・ヨー・マの笑顔が実に印象的でした。

 今回は、シカゴ交響楽団(シカゴ・シンフォニー・オーケストラCSO)との
共演でした。

 超一流の演奏家ということですから、CSOのメンバーたちも緊張した雰囲
気に包まれ、改まった、格式高い演奏が行なわれるのか・・・と思っていたの
ですが、実際はそうではなかったのです。

 非常に自然で、和やかな雰囲気のコンサートだったのが、予想外でした。


 和やかな雰囲気のコンサートといえば、「スター・ウォーズ」のテーマ曲で
有名なジョン・ウィリアムスを指揮者に迎えてCSOと共演した昨年のコン
サートを思い出します。

 このときのジョン・ウィリアムは、非常に上機嫌で終始笑顔で、楽しみなが
ら指揮をしていたのが印象的でした。

 CSOは、世界的にも非常にレベルの高いオーケストラとして知られます。

 ジョン・ウィリアムは、CSOの演奏は素晴らしい。
 このオーケストラの指揮をさせていただいて大変光栄です、とお世辞抜きで
言っていました。

 おそらく今回のヨー・ヨー・マが笑顔を浮かべながら演奏していたのも、
同様の理由でしょう。
 
 レベルの高いCSOと一緒に共演しているということを、音楽家として素直
に楽しんでいるわけです。

 この日のメインは、ラヴェルのボレロです。

 これは、かなり聞き応えがありました、感動的でした。

 私はCSOの演奏も何度も聴いていますが、いつも以上に素晴らしかったよ
うに思います。

 さて、この観察結果から、一流と超一流の違いが見えてきました。

 ジョン・ウィリアムは、「CSOの演奏は素晴らしい」と絶賛していました
が、その能力を引き出したのは、ジョン・ウィリアム自身たど思うのです。

 今回のヨー・ヨー・マも、ソロ・パートの演奏も素晴らしいのですが、全体
として大きな感動を呼びおこしました。

 これは、ヨー・ヨー・マとCSOのコラボレーションがうまくいったからに
他なりません。

 すなわち、ヨー・ヨー・マがCSOの本来の演奏力能力以上のものを引き出
したことが、最終的に「素晴らしい演奏」を作り上げた原因ではないかと思う
のです。
 
 ジョン・ウィリアムやヨー・ヨー・マが、どの程度のリハーサルを何回やっ
たのかはわかりませんが、多分少ないリハーサルでも、楽団員とのコミュニ
ケーションをきちんととり(音楽を通したコミュニケーションを含む)、
信頼できる相互関係を作り上げた。

 それによってコラボレーシヨンが成功して、素晴らしい演奏が出来たという。

 「本人の演奏能力が素晴らしい」ということは当然として、ある種の「触媒
効果」が起きているのだと思います。

 触媒というのは、化学反応を何倍も促進する物質です。
 
 触媒をごく微量加えるだけで、化学反応は何倍も、時に何十倍も促進される
のです。

 優れた能力を持っている。それだけでは、一流。

 その優れた能力に加えて、他の人の能力を何倍も引き出すことができる。

 これこそが、「超一流」たる所以ではないでしょうか?

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<出典>
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posted by toko at 11:23 | ロハス発見
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